課題は「広告媒体の適切な予算配分」。MMM分析・改善提案で広告運用の最大化を支援

今回、MMM分析・改善施策の提案にて広告効果の最大化を支援させていただいたのは、EC事業を展開されている企業様です。

これまで複数の広告媒体を利用し、各媒体のCV数やCPAを参考に予算配分を行ってきましたが、最適な予算配分が分からず、過去の成功事例や直感に基づいた、根拠が曖昧な配分となっていました。そのため、 CPAが良好であった媒体に予算を集中させると、かえってCPAが高騰し、全体でみると顧客獲得効率が低下してしまうといった現象が頻繁に発生していました。

また、それぞれの広告媒体ごとに、別の広告代理店に運用を委託しているため、各媒体では運用の最適化を進められますが、それらのデータをまとめて分析し、広告全体の効果を最大化できていない点も課題となっていました。

そこで弊社にて、MMM分析により、各広告媒体の貢献度を正確に評価し、最適な予算配分を実現できるよう支援させていただきました。

この記事では、上記支援内容の詳細をご紹介させていただきます。

ご依頼前の課題

  • 過去の成功事例などの経験則に基づいた予算配分により、最適な配分ができていない
  • 複数の広告代理店に運用を委託しているため、各媒体のデータを統合して分析することが難しく、広告全体の効果を最大化するための施策を打てていない

atarayoの支援内容

  • ステップ1.分析要件定義
  • ステップ2.分析基盤構築
  • ステップ3.MMM分析・可視化
  • ステップ4.改善施策提案

ステップ1.分析要件定義

企業様の事業課題、現状のKGI・KPI、マーケティング施策をヒアリングし、その内容を元に分析の要件を定義します。
どのデータを収集すべきか、分析の目的を明確にし、最適なディメンション(データ分析軸)・指標・フィルタ条件などを定義します。これにより、効果的なデータ分析と改善施策の基盤を確立します。

ステップ2.分析基盤構築

分析要件定義に沿って、データを正しく収集・可視化するための基盤を構築します。
企業様が多様なデータを効果的に活用するための基盤をデータレイク、データウェアハウス、データマートの3層を中心に整えます。
直接的にコンバージョンに繋がった媒体の評価だけではなく、間接的にコンバージョンに繋がった広告媒体についても正しく施策を評価できる基盤を構築しました。

ステップ3.MMM分析・可視化

LookerStudioを用いて「売上貢献度分析」「ROI分析」「予算シミュレーション」を可視化します。


売上貢献度分析では、
流入チャネル、マーケティング施策、クリエイティブごとの貢献度を分析、売上・受注への影響度の高い要素を可視化し、どの広告媒体や施策が、直接または間接的に売上や受注に貢献しているのかを詳しく調べました。

売上貢献度分析における貢献度配分イメージと可視化イメージ。

ROI分析では、売上貢献分析の結果をもとに、間接効果も考慮にいれた各広告施策の費用対効果を正確に評価をしました。広告費に対する売上や顧客生涯価値(LTV)を算出することで、どの施策に予算を投じると最も効率的に利益を生み出せるのかを分析します。

RO分析における、データ収集からモデル構築のイメージと、各チャネルのコスト、貢献度、ROIの可視化イメージ。

予算シミュレーションでは、各媒体の予算に応じた獲得件数を予測。各媒体への予算配分をどのように調整すれば、全ての広告媒体を合わせた総コンバージョン数を最大化できるのかをシミュレーションしました。

メディアデータ、非メディアデータからMMM分析を行うイメージ

ステップ4.改善施策提案

分析結果をもとに、ビジネス環境に即した、より効果的な広告運用を実現するための改善策や各広告媒体の予算配分アロケーションをご提案します。
今回の企業様には、各広告媒体への最適な予算配分について提案させていただきました。

ご支援後の成果

  • 従来の経験則に則った予算配分から脱却し、機械学習を活用することで、各広告媒体への最適な予算配分の算出が可能に
  • 総コンバージョン数が最大化する予算配分が決定できるようになり、同じ広告予算でコンバージョン数が1.3倍に増加

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